パソコン工房のゲーミングPCは「LEVEL∞(レベルインフィニティ)」というブランド名で売られています。株式会社ユニットコムが運営していて、店舗数の多さと価格の安さで語られることが多いショップです。
ただ、実際に各社の規約を読み比べてみると、この店のいちばんの特徴は別のところにありました。保証規約が、購入後に自分で手を入れることを想定して書かれているのです。
BTOを買ったあとにメモリやSSDを足したいと考えている人にとって、ここは価格より重要になるかもしれません。順に見ていきます。
先に結論
- 自分で増設・交換したい人に向いています
- 保証規約が改造に対して寛容です。この点で明確に差がつきます
- 近くに店舗がある人にも向いています
- 全国約80店舗、約40都道府県に展開しています。予約なしで持ち込める窓口があるのは、通販専業にはない安心です
- 価格は常時安めで、セール時はさらに下がります
- セールを待たなくても値頃ですが、決算期や周年セールの割引幅は大きくなります
- 型番が読みにくいのが弱点です
- 販売用と管理用で別の型番があり、検索しても同じ機種にたどり着けないことがあります
2026年8月時点の実売価格
まず価格から確認します。RTX 5070搭載モデルで、他社と比べやすい構成を拾いました(ドスパラ側は2026年8月22日に再確認)。
| パソコン工房 LEVEL-M1AM-LCR78D-TKX | ドスパラ GALLERIA XPR7M-R57-GD | |
|---|---|---|
| 価格(税込) | 264,800円 | 259,980円 |
| CPU | Ryzen 7 7800X3D | Ryzen 7 7700 |
| GPU | RTX 5070 | RTX 5070 |
| メモリ | 16GB(8GB×2) | 16GB |
| SSD | 500GB | 500GB |
同じRTX 5070・同じメモリ・同じSSD容量で比べると、価格差は4,820円とほぼ並びました(パソコン工房のほうが高い)。ただしCPUはRyzen 7 7800X3Dで、ゲーム用途では7700より明確に上のグレードです。型番の「LC」は液冷を意味していて、CPUクーラーも簡易水冷になります。価格がほぼ変わらないなら、X3Dと簡易水冷が付くパソコン工房のほうが実質的に有利です。
ここは素直に評価できる点です。当サイトの30万円台のおすすめゲーミングPCでは「ゲーム最強CPU構成」を30万円台半ばと見ていましたが、この構成なら26万円台に収まります。
なお、この価格は「怒涛のAMD祭」というキャンペーンの適用後です。パソコン工房はキャンペーンが常時どれか動いているので、購入前に対象かどうかを確認してください。詳しい時期の傾向はゲーミングPCのセール時期にまとめています。
認定再生メモリという新しい選択肢
2026年8月6日、パソコン工房は「Memory Re」というシリーズを発売しました。国内BTOではあまり例のない取り組みなので、触れておきます。
- メモリだけ認定再生品を使います
- 同社の品質基準を満たした再生メモリを採用し、CPU・GPU・ストレージは新品のままという構成です。半導体のコスト上昇に対応するための選択肢として位置づけられています
- RTX 5070 Ti搭載モデルが36万9,800円
- LEVEL-R789-LC270K-UK1XとLEVEL-R785-LCR98D-UK1X。いずれもDDR5の認定再生メモリ16GB、1TB NVMe SSD、Windows 11 Homeという構成です
- RTX 5080搭載モデルが44万4,800円
- LEVEL-R789-LC270K-VK1XとLEVEL-R785-LCR98D-VK1X。同じくメモリ16GB・SSD 1TBです
- 保証は通常モデルと同じ扱いです
- 標準1年に加え、3年・4年の延長保証も選べます
2026年はメモリ価格そのものが高騰しており、当サイトでもゲーミングPCはいくら値上がりしたのかで追いかけています。その状況で、メモリだけを再生品にして本体価格を抑えるという発想は理にかなっています。
ただし注意点もあります。再生メモリだから必ず安いというわけではありません。RTX 5080搭載の44万4,800円という価格は、ドスパラのRTX 5080標準構成(39万9,980円)より高くなります。こちらは液冷で上位CPUを積んでいるので単純比較はできませんが、シリーズ名だけで割安だと判断しないほうがよいと思います。
最大の特徴は保証規約です
ここがこの記事でいちばんお伝えしたい部分です。
BTO各社の保証規約を読み比べたところ、パソコン工房には他社にない一文がありました。購入時の状態に復することが容易な改造等である場合は、保証対象外事由に該当しない、という趣旨の記載です。
- つまりメモリやSSDの増設をしても保証は続きます
- 元に戻せる範囲であれば、という条件付きですが、明文化されている意味は大きいです。ドスパラは改造に起因する故障を対象外としています
- ただし増設した部品が原因の不具合は対象外です
- 当然といえば当然ですが、自分で足したメモリが壊れて起きた不具合まで見てくれるわけではありません
- 保証対応の通常の郵送費は同社が負担します
- 規約に記載があります。ドスパラの通常保証は持込修理のみで、引き取りにするには延長保証への加入が必要です
- 全国の店舗に予約なしで持ち込めます
- 郵送のやりとりが面倒な場合、これがいちばん早い解決手段になります
BTOを買ったあと、メモリを32GBに増やしたい、SSDを足したいと考える人は多いはずです。SSDが足りなくなったときの対処でも触れましたが、増設時に保証がどうなるかはメーカーによって扱いが分かれます。ここを明文化しているのは、購入前に知っておく価値のある情報です。
各社の保証を横断的に比べた内容はBTOパソコンが故障したときの修理ガイドにまとめました。
保証期間はパーツごとに違います
一方で、注意しておくべき点もあります。パソコン工房の標準保証は一律ではありません。
- PC本体・CPU・マザーボードは1年
- ここが基準になります。マウスコンピューターの3年と比べると短めです
- 光学ドライブ・キーボード・マウスは6か月
- 本体と同じ感覚でいると、いざというときに期間が過ぎています
- ケーブルやバッテリーなどの消耗部品は保証なし
- 消耗品という扱いです
- 延長保証は3年・4年から選べます
- 月額制のサポートサービスも用意されています
「保証1年」と一言で書かれることが多いのですが、実際にはこう分かれています。周辺機器を同時に買う場合は、その部分の保証が6か月であることを頭に入れておいてください。
店舗網の広さは実際に効きます
公式の店舗一覧で数えたところ、全国に約80店舗、約40都道府県という規模でした。北海道から沖縄まで展開しています。
- 対面で相談してから買えます
- 初めてのBTOで、構成の判断に自信がない場合は大きな安心材料です。実機を見られる点も通販とは違います
- 故障時に持ち込めます
- 郵送だと数日単位でやりとりが発生しますが、店舗に持ち込めば話が早く進みます
- 店舗限定の特価品があります
- 日替わりのチラシが公式サイトに掲載されています。近くに店舗があるなら見る価値があります
- 中古の取り扱いもあります
- ただし中古の保証は10日間から1年までの5タイプがあり、期間の長さで受けられる対応そのものが変わります
中古については補足が必要です。パソコン工房の中古保証規定では、保証期間が3か月以下の商品は交換対応(在庫がなければ返金)のみで、修理は受け付けられません。修理対応を受けたい場合は6か月以上の保証が付いた商品を選ぶ必要があります。当サイトの立場としては中古のゲーミングPCはおすすめしませんが、それでも検討するなら期間の確認は必須です。
支払いの選択肢が多い店です
見落とされがちですが、ここも他社との差が出ます。
- ショッピングクレジットが最大48回まで手数料無料
- 5万円以上が対象です。20万円台のPCなら月々5,000円弱になります。手数料が無料なので総額は一括払いと同じです
- ペイディ(Paidy)に対応しています
- ドスパラは非対応なので、後払いを使いたい場合はここが選択肢になります。ただし利用枠は審査次第で、高額なPC本体では枠が足りないこともあります
- 分割の詳しい比較は別記事にまとめました
- 各社の手数料無料回数や、クレジットカードの分割との違いはゲーミングPCの分割払いで扱っています
気になる点
公平を期して、弱点も並べます。
- 型番が読みにくい
- 販売用の型番と管理用の型番が別に存在します。たとえばLEVEL-M8P5-R56X-SLX-ZOTACの正式型番はILeDEi-M8P5-AR56X-SLSXB-ZOTACです。レビュー記事で見た型番で検索しても、公式サイトで見つからないことがあります
- モデル数が多く、比較しにくい
- 筐体だけでもミニタワー・ミドルタワー・RGB仕様などに分かれ、同じGPUでも複数の構成が並びます。目当てのものを探すのに手間がかかります。小型筐体を他社モデルとも比較したい場合は小型ゲーミングPCのおすすめモデル比較を参考にしてください
- 上位CPUのモデルは価格が跳ねます
- 同じGPUでもCore Ultraの上位を積んだモデルは大きく上がります。GPUだけ見て価格を比較すると誤解します
- お客様都合の返品は原則不可です
- 受注生産のため、注文後のキャンセルや返品は受け付けていません。各社の条件は返品ポリシーの比較記事にまとめています
- 標準保証は1年です
- マウスコンピューターの3年と比べると短めです。長く使う前提なら延長保証を検討してください
型番についてはゲーミングPCのスペック表の読み方で詳しく扱いました。型番を覚えるより、構成で判断するほうが確実です。
こんな人に向いている
- 買ったあとに自分で増設したい人
- 保証規約が改造に寛容な点は、他社にない明確な利点です
- 近くに店舗がある人
- 相談・持ち込み・店舗限定特価と、店舗があるだけで選択肢が増えます
- セールを待たずに値頃な価格で買いたい人
- 常時安めなので、タイミングを合わせる必要がありません
- 他社も見たほうがよい人
- 標準3年保証と24時間サポートが欲しいならマウス(G-Tune)、セールの瞬間最安を狙うならフロンティア、パーツの型番まで指定したいならパソコンショップSEVENが候補になります
よくある質問
Q.パソコン工房(LEVEL∞)の評判はどうですか?
A.価格の安さと店舗網の広さで評価されています。加えて保証規約に「購入時の状態に復することが容易な改造等は保証対象外事由に該当しない」という趣旨の記載があり、購入後に自分でメモリやSSDを増設したい人に向いています。一方で標準保証は1年で、光学ドライブやキーボードは6か月、消耗部品は保証なしとパーツごとに分かれている点は確認しておいてください。
Q.レベルインフィニティとは何ですか?
A.パソコン工房が展開するゲーミングPCのブランド名です。表記は「LEVEL∞」で、株式会社ユニットコムが運営しています。ミニタワーのM-Class、ミドルタワーのR-Class、RGB仕様のモデルなど、筐体のシリーズが分かれています。
Q.パソコン工房は安いですか?
A.常時安めのショップです。ただし2026年8月22日時点でRTX 5070搭載のLEVEL-M1AM-LCR78D-TKXは26万4,800円で、同じRTX 5070のドスパラ製品(GALLERIA XPR7M-R57-GD、25万9,980円)と比べると4,820円高くなっています。それでもCPUはRyzen 7 7800X3Dで上のグレードなので、価格差以上の価値があります。キャンペーン適用後の価格なので、購入前に対象かどうか確認してください。
Q.自分でメモリを増設すると保証はどうなりますか?
A.購入時の状態に復することが容易な改造等であれば、保証対象外事由に該当しないと規約に明記されています。ただし増設した部品が原因の不具合は対象外です。ドスパラは改造に起因する故障を対象外としているため、この点は各社で扱いが分かれます。
Q.認定再生メモリのモデルは買っても大丈夫ですか?
A.2026年8月6日に発売された「Memory Re」シリーズのことです。同社の品質基準を満たした再生メモリを使い、CPU・GPU・ストレージは新品という構成で、保証も通常モデルと同じ扱いです。ただし再生メモリだから必ず安いわけではなく、RTX 5080搭載モデルは44万4,800円と、ドスパラの標準構成(39万9,980円)より高くなります。構成が違うので単純比較はできませんが、シリーズ名だけで判断しないでください。
Q.パソコン工房の店舗は全国にいくつありますか?
A.公式の店舗一覧で確認したところ、全国に約80店舗、約40都道府県という規模でした。北海道から沖縄まで展開しています。故障時に予約なしで持ち込める点と、店舗限定の特価品がある点が通販専業との違いです。
Q.分割払いはできますか?
A.ショッピングクレジットが最大48回まで手数料無料で、5万円以上が対象です。20万円台のPCなら月々5,000円弱になります。またペイディ(Paidy)にも対応しており、こちらはドスパラが非対応なので選択肢として意味があります。
Q.返品はできますか?
A.お客様都合での返品は原則受け付けていません。受注生産のため、注文確定後のキャンセルも制限があります。返品に対応しているのはマウスコンピューター(手数料20%)・ツクモ・Dellの3社で、条件付きです。
まとめ・次に読みたい記事
パソコン工房のLEVEL∞は、「安くて店舗が多い」という理解だけでは半分しか捉えられていないブランドでした。
価格については、2026年8月22日時点でRTX 5070搭載機が26万4,800円。同じGPUのドスパラ製品(25万9,980円)と比べると4,820円高くなっていますが、CPUはRyzen 7 7800X3Dで上のグレードなので、その差は妥当な範囲です。常時この水準なので、セールを待つ必要がないのは実用的な利点です。
ただ、この記事でいちばんお伝えしたいのは保証規約のほうです。元に戻せる範囲の改造なら保証対象外にならないと明記しているBTOは多くありません。買ったあとにメモリやSSDを足して長く使いたいと考えているなら、価格差より重要な判断材料になります。
弱点は型番の読みにくさとモデル数の多さです。販売用と管理用で型番が別に存在するため、検索でたどり着けないことがあります。型番ではなく構成で選ぶようにしてください。
そして保証期間がパーツごとに違う点は、購入前に確認しておいてください。本体は1年ですが、キーボードやマウスは6か月、ケーブルなどの消耗部品は保証がありません。



