ツクモ(TSUKUMO)のG-GEARは、当サイトでも「パーツ品質と透明性で選ぶBTO」として何度か触れてきました。加えて「品質のわりに値頃」とも書いていました。

ところが2026年8月の実売価格を確認したところ、後半は当てはまらなくなっていました。価格では他社に届きません。

一方で、前半の「透明性」は看板どおりでした。むしろ想像以上です。順に見ていきます。

先に結論

中身を確認して買いたい人に向いています
マザーボードの型番まで分かるので、あとから増設や交換をする前提で選べます
最安を求める人には向きません
同じGPUで他社より数万円高くなります。ここは正直にお伝えします
標準構成に無駄がありません
メモリ32GB・SSD 1TBが基本なので、買ってすぐ増設が必要という事態になりません
返品という逃げ道があります
BTO9社のうち、お客様都合の返品を受け付けるのは3社だけです

マザーボードの型番が公開されています

ここがこの店の本質です。実際に公式サイトで確認できた例を挙げます。

モデルGPUマザーボード
G-GEAR GE5J-A261/BRTX 5060ASRock B760 Pro RS
G-GEAR GE5J-B256/BRTX 5060 Ti 8GBASUS TUF GAMING B860-PLUS WIFI
G-GEAR GE5J-J257/BHRTX 5070ASUS TUF GAMING B860-PLUS WIFI
G-GEAR GE7J-M261/BHRTX 5070ASUS TUF GAMING B860-PLUS WIFI

多くのBTOは「B860チップセット搭載マザーボード」といった書き方で止まります。メーカーも型番も分かりません。ツクモは製品名まで書いています。

拡張性を事前に確認できます
M.2スロットが何本あるか、メモリスロットは何本か、背面の端子構成はどうか。型番が分かればメーカーの製品ページで全部調べられます
あとから増設するときに困りません
SSDを増設したいとき、対応する規格とスロット数が事前に分かります。M.2を増やすとSATAが無効になる仕様かどうかも確認できます
BIOS更新の情報も追えます
将来CPUを載せ替えるときに、そのマザーボードが対応しているかを調べられます
同じ透明性を持つのはSEVENくらいです
パーツの型番開示という点ではパソコンショップSEVENが近い立ち位置です。ただしSEVENは選ばせる店、ツクモは決まった構成を開示する店という違いがあります

M.2スロットとSATAの関係についてはM.2 SSDを挿すとSATAポートが使えなくなる理由で扱いました。型番が分かっていれば、こうした落とし穴を購入前に確認できます。

標準構成が32GB・1TBで揃っています

もうひとつの特徴です。2026年8月時点で確認したモデルは、いずれもメモリ32GB DDR5-5600、SSD 1TB NVMe Gen4という構成でした。

RTX 5060搭載機が26万7,800円
Core i5-14400F/32GB/1TB。マザーボードはASRock B760 Pro RSです
RTX 5060 Ti 8GB搭載機が29万4,800円
Core Ultra 5 225F/32GB/1TB
RTX 5070搭載機が36万2,800円
Core Ultra 5 225F/32GB/1TB
RTX 5070搭載の上位が39万9,800円
Core Ultra 7 270K Plus/32GB/1TB

他社の最安構成はメモリ16GB・SSD 500GBが多いので、この点は明確に違います。2026年はメモリが高騰しているため、32GBが標準で付くことの価値は以前より上がっています。

ただし、これは同時に価格が高い理由でもあります。

価格では他社に届きません

正直にお伝えします。以前この記事には「ドスパラより数万円安く見つかることがある」と書いていましたが、2026年8月時点では逆でした。

RTX 5070搭載機価格構成
ドスパラ GALLERIA259,980円Ryzen 7 7700/16GB/500GB
フロンティア(セール)299,800円Ryzen 7 9700X/32GB/1TB
ツクモ G-GEAR362,800円Core Ultra 5 225F/32GB/1TB
ドスパラとは構成が違うので単純比較できません
ドスパラの25万9,980円はメモリ16GB・SSD 500GBです。32GB・1TBに揃えると差は縮みます
ただしフロンティアとは同条件です
どちらもメモリ32GB・SSD 1TB。それでツクモが6万3,000円高く、CPUはフロンティアのRyzen 7 9700Xのほうが上です
エントリー帯でも同じ傾向です
RTX 5060で比べると、ツクモが26万7,800円、フロンティアのセール品が19万4,800円(32GB・1TB)でした
つまり価格で選ぶ店ではありません
以前の「品質のわりに値頃」という評価は、現在は当てはまりません

セールの効果についてはフロンティアの評判で検証しました。同じ構成でセールと通常価格に8万円の差が出るため、比較のタイミングで結論は変わります。とはいえ、ツクモの通常価格が他社の通常価格より高いことも確かです。

返品に対応する3社のひとつです

これは既存の記事に書いていませんでしたが、大きな差別化です。

BTO9社の返品ポリシーを調べたところ、お客様都合の返品を受け付けているのはマウスコンピューター・ツクモ・Dellの3社だけでした。ドスパラ・フロンティア・パソコン工房・OZgaming・パソコンショップSEVEN・サイコムの6社は原則不可です。

受注生産のBTOでは異例です
自分の構成で組み立てられた製品は転売しにくいため、多くの会社が返品を断ります
条件は事前に確認してください
期間や状態の条件があります。詳しくはBTO9社の返品ポリシー比較にまとめました
ペイディにも対応しています
後払いを使いたい場合、ドスパラは非対応なので選択肢が限られます。ツクモとパソコン工房が対応しています
保証は標準1年、延長は最大3年
標準の長さは他社と同じです。マウスコンピューターの標準3年と比べると短くなります

ヤマダグループの中の位置づけ

補足として、資本関係を整理しておきます。この記事では以前「2021年からヤマダ電機グループ」と書いていましたが、正確には違います。

2009年にヤマダ電機がツクモの事業を取得しました
運営会社としてProject White(プロジェクトホワイト)が設立され、ここがツクモブランドを運営していました
2021年7月1日に吸収合併されました
Project Whiteを含む子会社7社がヤマダデンキへ吸収され、現在はヤマダデンキの店舗ブランドのひとつという扱いです
フロンティアも同じグループです
フロンティアを運営するインバースネットもヤマダ電機の連結子会社です。つまり同一グループ内に、性格の違うBTOが2つあることになります
住み分けははっきりしています
セールで瞬間最安を狙うのがフロンティア、構成を開示して堅実に売るのがツクモです。同じグループでも競合しにくい設計になっています

気になる点

価格が高い
前述のとおりです。同条件でフロンティアより6万円以上高くなる場面がありました
納期は即納ではありません
おおむね1週間前後が目安です。在庫モデルを当日から翌日で出荷するドスパラと比べると待ちます
標準保証は1年です
延長は最大3年まで選べますが、マウスコンピューターのように標準で3年付くわけではありません
ノートPCは主力ではありません
デスクトップが中心です。ゲーミングノートを探しているなら他社のほうが選びやすくなります
派手さはありません
セールの安さやデザインで目立つタイプではないので、話題性を求める人には地味に映ります

こんな人に向いている

あとから自分で手を入れたい人
マザーボードの型番が分かるので、増設や交換の計画を購入前に立てられます
標準構成のまま長く使いたい人
メモリ32GB・SSD 1TBなら、買ってすぐ増設が必要になりません
秋葉原の店舗で相談したい人
自作パーツを扱ってきた店なので、店頭スタッフの知識は期待できます
他社も見たほうがよい人
価格優先ならフロンティアのセール、急ぐならドスパラ、標準3年保証ならG-Tune、構成を自分で選びたいならSEVENです

ツクモ公式サイト

よくある質問

Q.ツクモ(G-GEAR)の評判はどうですか?

A.パーツ構成の透明性で評価されています。多くのBTOが「B860チップセット搭載」といった書き方で止まるなか、ツクモはASUS TUF GAMING B860-PLUS WIFIやASRock B760 Pro RSのようにマザーボードの型番まで公開しています。一方で価格は他社より高く、2026年8月時点では最安を狙う店ではありません。

Q.G-GEARは高いですか?

A.高めです。RTX 5070搭載機で比べると、ツクモが36万2,800円(Core Ultra 5 225F/32GB/1TB)、フロンティアのセール品が29万9,800円(Ryzen 7 9700X/32GB/1TB)でした。メモリとSSDが同条件でこの差なので、価格で選ぶ店ではありません。ただしドスパラの28万4,980円はメモリ16GB・SSD 500GBなので、構成を揃えると差は縮みます。

Q.なぜ自作に詳しい人から評価されるのですか?

A.マザーボードの型番が分かるためです。型番が分かればメーカーの製品ページでM.2スロットの数、メモリスロットの数、背面端子の構成まで調べられます。あとからSSDを増設したい、将来CPUを載せ替えたいという場合に、購入前から計画を立てられます。

Q.標準構成のメモリとSSDはどれくらいですか?

A.2026年8月時点で確認したモデルは、いずれもメモリ32GB DDR5-5600、SSD 1TB NVMe Gen4でした。他社の最安構成はメモリ16GB・SSD 500GBが多いため、この点は明確に違います。メモリが高騰している2026年は、この差の価値が上がっています。

Q.ツクモは返品できますか?

A.できます。BTO9社を調べたなかで、お客様都合の返品に対応しているのはマウスコンピューター・ツクモ・Dellの3社だけでした。ただし期間や状態の条件があるので、購入前に確認してください。またペイディ(後払い)にも対応しており、こちらはドスパラが非対応です。

Q.保証は何年ですか?

A.標準1年で、最大3年までの延長保証を選べます。マウスコンピューターのように標準で3年が付くわけではないので、長く使う前提なら延長保証を検討してください。

Q.納期はどのくらいですか?

A.おおむね1週間前後が目安で、構成や時期によって前後します。在庫モデルを当日から翌日で出荷するドスパラほど速くはないので、急ぐ場合は他社も検討してください。

Q.ツクモはどこの会社ですか?

A.ヤマダデンキの店舗ブランドのひとつです。2009年にヤマダ電機がツクモの事業を取得し、運営会社としてProject Whiteが設立されました。2021年7月1日にProject Whiteを含む子会社7社がヤマダデンキへ吸収合併され、現在の形になっています。なおフロンティアを運営するインバースネットも同じヤマダ電機の連結子会社です。

まとめ・次に読みたい記事

ツクモ(G-GEAR)の評価を、2026年8月の実売価格で見直しました。

看板である透明性は本物でした。マザーボードの型番まで公開しているBTOは多くありません。型番が分かれば、M.2スロットの数も、メモリスロットの数も、将来のCPU対応も購入前に調べられます。あとから手を入れる前提で買うなら、この情報量は効いてきます。

標準構成も無駄がありません。メモリ32GB・SSD 1TBが基本なので、届いてすぐ増設という事態になりません。

一方で、以前この記事に書いていた「品質のわりに値頃」は、現在は当てはまりませんでした。同じメモリ32GB・SSD 1TBという条件で、フロンティアのセール品より6万円以上高くなります。価格で選ぶ店ではないと、はっきりお伝えしておきます。

そのうえで、返品に対応する数少ない3社のひとつだという点は覚えておく価値があります。BTOで「合わなかったら返せる」という選択肢が残るのは、マウス・ツクモ・Dellだけです。