「新品価格の3割くらい」といった説明はよく見ますが、それでは自分のPCがいくらになるのか分かりません。買い替えの計画を立てるには実額が要ります。
この記事では、買取店が公開している上限価格と実際の買取実績を並べて、GPU別にいくらになるのかを確認します。そのうえで、グラボだけ外して売ったほうが得なのか、メルカリと比べて手取りはどちらが多いのかまで数字で見ていきます。
金額は2026年8月18日時点のものです。相場は動くので、判断の基準として使ってください。
GPU別の買取上限(2026年8月時点)
まず基準になる数字です。ツクモ買取センターが公開しているビデオカードの買取上限額を、世代ごとに並べます。
RTX 50シリーズ グラフィックボード単体の買取上限
ツクモ買取センター(2026年8月18日時点・税込)。付属品が揃い、動作良好な場合の上限額
RTX 40シリーズ グラフィックボード単体の買取上限
ツクモ買取センター(2026年8月18日時点・税込)
RTX 30シリーズは次のとおりです。
- RTX 3090 24GB — 85,000円
- VRAM 24GBが効いて、性能では上のRTX 4080(95,000円)に迫る額が付いています
- RTX 3080 12GB — 40,000円
- 発売当時のフラッグシップ級でも、この水準まで下がります
- RTX 3070 Ti 8GB — 23,000円 / RTX 3070 8GB — 20,000〜21,000円
- LHR版と非LHR版で1,000円ほど差が付くことがあります
- RTX 3060 Ti 8GB — 19,000〜20,000円
- 性能では下のRTX 3060 12GBに逆転されています
- RTX 3060 12GB — 25,000円 / RTX 3060 8GB — 15,000円
- 同じRTX 3060でも、VRAMが4GB違うだけで10,000円の差です
別の店とも突き合わせておきます。パソコン工房のグラフィックボード買取価格表では、RTX 4070の買取上限は掲載22製品すべてが53,000円でした。ツクモの55,000円とほぼ同じです。上限額は店による差が小さいので、この水準が実勢だと考えて構いません。
VRAM容量で、序列が逆転しています
上の数字をもう一度見てください。おかしな並びがあります。
同じGPUでもVRAM容量で買取額が変わる
ツクモ買取センター(2026年8月18日時点・税込)。各組の上が大容量版、下が小容量版
同じGPUなのに、VRAMが多いだけで1.5倍から1.7倍の差が付いています。RTX 4060 Tiは16GB版と8GB版で22,000円、RTX 5060 Tiは21,000円の開きです。
さらに世代をまたぐと、順番そのものが入れ替わります。
- RTX 3060 12GB(25,000円)> RTX 3070(20,000円)
- ゲーム性能では明確にRTX 3070が上ですが、買取額では逆転しています。12GBという容量に値が付いているためです
- RTX 4060 Ti 16GB(55,000円)= RTX 4070(55,000円)
- 性能はRTX 4070が上ですが同額です。VRAMが4GB多いぶんで埋まっています
- RTX 3090 24GB(85,000円)がRTX 4080(95,000円)に迫る
- 2世代前のGPUがこの位置にいるのは、24GBという容量が理由です
- 背景にあるのはゲーム以外の需要です
- ローカルで動かすAIモデルは、VRAM容量で扱えるサイズが決まります。ゲーム性能の序列とは別の物差しで買われています
売る側にとっては単純な話で、同じ型番でも大容量版を持っているなら、思っているより高く売れます。逆に8GB版は、性能の印象より安くなると考えておいてください。VRAMが実際のゲームで足りているかどうかはVRAM 8GBで足りないゲーム一覧にまとめています。
グラボだけ外して売るべきか
「本体ごと売るより、グラボを抜いて別々に売るほうが高い」という話を見かけます。実際の買取実績と並べると、答えが出ます。
パソコン高く売れるドットコムが公開しているドスパラ製PCの買取実績から、GPU単体の上限額と比べてみます。
- GALLERIA ZA7R-R58(RTX 5080)— 230,000円
- 2026年6月の実績です。RTX 5080単体の上限は140,000円なので、本体側に90,000円ぶんの値が付いています
- GALLERIA ZA9C-R48(RTX 4080)— 150,000円
- 2026年5月の実績です。RTX 4080単体は95,000円です
- GALLERIA RM7C-R47(RTX 4070)— 115,000円
- 2026年5月の実績です。Core i7-14700F搭載機で、RTX 4070単体の55,000円に対して2倍以上になります
- GALLERIA XA7C-R47(RTX 4070)— 70,000円
- 2026年7月の実績です。同じRTX 4070でも、CPU世代が古いとここまで下がります
- GALLERIA XA7C-R36T(RTX 3060 Ti)— 53,000円
- 2026年6月の実績です。RTX 3060 Ti単体は19,000〜20,000円なので、本体側の価値のほうが大きくなっています
どの例でも、完成品の買取額はグラボ単体を大きく上回っています。CPU・メモリ・SSD・電源・ケースがまとめて評価されるからです。バラして売ると、グラボ以外を個別に売る手間がかかるうえ、動作確認済みの1台という価値が消えます。
- 原則は完成品のまま売る
- 手間が少なく、合計額でも有利です。パーツ単位で値付けする店なら、構成がそのまま査定に反映されます
- 例外はグラボだけ載せ替える場合
- 新しいグラボに交換して本体を使い続けるなら、外した1枚を単体で売ることになります。この場合は上のグラフの額が目安です
- GPUが同じでもCPUで4万円以上変わります
- RTX 4070搭載機の70,000円と115,000円という差は、主にCPU世代によるものです。査定の入力ではCPUの型番まで正確に伝えてください
- パーツを抜いた状態はマイナス評価です
- グラボを外して内蔵グラフィックスで動く状態にしても、ゲーミングPCとしては評価されません。メモリを1枚抜くといった小細工も同じです
自分の構成が分からない場合はスペック表の見方を先に読んでください。同じ型番でも中身が違うことがあります。
買取・メルカリ・下取りで、手取りはどう変わるか
売り先は3つあり、手取りが変わります。RTX 4070を例に、実際の数字で並べます。
- 買取店に売る — 53,000〜55,000円
- 査定額がそのまま入金されます。手数料も送料もかからない店が多く、店頭なら即日現金化できます
- 中古で売られている価格 — 74,990〜79,980円
- じゃんぱらの中古販売価格です。つまり買取額は販売価格のおよそ7割で、差額が店の利益と保証の原資になります
- メルカリで売る — 手取りは約66,000円
- 中古相場に近い75,000円で売れたとして、販売手数料10%で7,500円、100サイズの送料が1,050円。差し引き66,450円です
- メーカー下取り — 1,100円
- マウスコンピューターの下取りサービスは通常1,100円(税込)の値引きです。キャンペーン期間中でも7,700円でした
買取店とメルカリの差は1万円前後で、その1万円は梱包・発送・取引対応・トラブル対応の対価です。どちらが正しいという話ではないので、手間をお金に換算して選んでください。
PC本体を送る場合は、サイズの制約に注意が必要です。
- メルカリ便は3辺合計160サイズまでで1,700円
- らくらくメルカリ便・ゆうゆうメルカリ便とも、160サイズの送料は1,700円です。ミドルタワーは梱包すると160サイズに収まらないことがあります
- 160サイズを超えると「たのメル便」になります
- 梱包・発送たのメル便は80〜450サイズ対応で、送料は1,700円から33,000円です。大型ケースだと送料負担が一気に増えます
- 買取店の宅配は送料無料の条件があります
- ドスパラの宅配買取は、3辺合計160cm以下で梱包資材を自分で用意できれば集荷送料が無料です(引取コース)。それ以外は発送コースで自己負担になります
- モニターや周辺機器はまとめたほうが有利です
- 同時に売ると1回の取引で済み、査定でも評価が上がりやすくなります
下取りについては、比較の対象にならないことがはっきりしています。1,100円と70,000円では桁が違います。次も同じメーカーで買うことが決まっていて、古くて値の付かない機体を引き取ってほしい、という場合だけ意味があります。
ノートPCの買取
デスクトップとは事情が違います。
- 分解して売る選択肢がありません
- GPUが基板に直付けなので、完成品として売るしかありません。そのぶん本体の状態、とくに液晶とバッテリーが査定に直結します
- 新しめの上位機は高値が付きます
- GALLERIAのノート(ZL9C-R47-C7)は、2026年6月に161,000円の買取実績があります
- 中位機の目安は5万〜7万円台です
- RTX 4070 Laptop搭載機でおおむね69,000円前後、RTX 4060 Laptop搭載機で52,000円前後が参考値として示されています
- 同じGPU名でも中身が違う点に注意
- ノートのGPUはTGPで性能が変わります。査定でも上位設定の機種のほうが評価されます。詳しくはノートPCのGPU性能比較で扱いました
売り時は「新型の発表前」です
GPUは新しい世代や上位モデルが出ると、既存モデルの相場が下がります。買い替えを考え始めた段階で査定に出すのが基本です。
- 下がるのは発売日ではなく発表からです
- 新モデルの価格と性能が公表された時点で、中古の相場は動き始めます。発売を待ってから売ると、下がりきった後になります
- いまはRTX 50 SUPERの動向が変数です
- 登場すれば現行モデルの相場に影響します。時期の判断はRTX 50 SUPERはもう出ないのかを参照してください
- 先に売るか、届いてから売るかを決めておく
- 売ってから新しいPCが届くまで、ゲームができない期間が生まれます。届いてから売れば空白はありませんが、そのぶん相場は下がります
- 値が付かない世代もあります
- GTX 10シリーズより前の世代は、買取不可か数千円になることがあります。その場合は売却ではなく処分の話になります
値段が付かなかった場合、パソコンは自治体の粗大ごみには出せません。手順はゲーミングPCの処分方法にまとめました。
売る前にやること
- データを消す(SSDは削除では消えません)
- SSDはウェアレベリングの仕組み上、上書きしても元のデータが残る領域があります。Secure Eraseに対応したツールを使うか、買取店のデータ消去サービスを利用してください。手順は処分方法の記事で扱っています
- 移すものを先に移す
- セーブデータ・設定・MOD・配信ソフトのプロファイルは、消してからでは戻せません。買い替え時のデータ移行の順番どおりに進めてください
- 各種サインアウトを済ませる
- Microsoftアカウント、Steam、その他のランチャーからサインアウトします。セッションが残ったまま手放すのは避けてください
- 身分証明書を用意する
- 古物営業法により、パソコンの買取では顔写真付きの本人確認書類が必要です。宅配買取でもコピーの同封や電子的な確認を求められます
- 付属品と箱を揃える
- 外箱、保証書、ケーブル類、購入時の付属品が揃っていると上限額に近づきます。カスタマイズしている場合は、外した純正パーツも戻せるなら戻してください
- 動作しない機体は先に伝える
- 正常に動作しないものは買取対象外になる店があります。ジャンク扱いで引き取る店もあるので、状態を隠さず申告してください
売却額を次の予算にどう組み込むか
査定額が出たら、次の1台の予算に足して考えます。
- 3万円まで — 予算帯は変わりません
- RTX 3060 Ti前後の世代でこの水準になることがあります。周辺機器の買い替えに回すのが現実的です
- 5万〜7万円 — 構成をひとつ上げられます
- 同じ価格帯の中で、メモリ32GBやSSD 1TBといった詰まりやすい部分に回せます
- 10万円以上 — 価格帯そのものを上げられます
- RTX 4070以上の完成品ならここに入ります。20万円台を見ていた人が、30万円台の構成を検討できます
具体的な候補は予算別おすすめゲーミングPCで価格帯ごとにまとめています。売却益に加えて、セール時期と分割払いを組み合わせると、無理のない範囲で1つ上の構成に届くことがあります。
いま売るか使い続けるかで迷っている場合は、アップグレードで延命すべきか、買い替えるべきかで判断の基準を整理しています。
よくある質問
Q.ゲーミングPCの買取価格はいくらぐらいですか?
A.搭載GPUで大きく変わります。2026年8月時点の完成品の買取実績では、RTX 5080搭載機で230,000円、RTX 4080搭載機で150,000円、RTX 4070搭載機で70,000〜115,000円、RTX 3060 Ti搭載機で53,000円という水準です。同じGPUでもCPU世代や構成で4万円以上変わるため、査定では型番まで正確に伝えてください。
Q.グラフィックボードだけ外して売ったほうが高いですか?
A.完成品のまま売るほうが有利です。RTX 4070単体の買取上限は53,000〜55,000円ですが、RTX 4070搭載の完成品には70,000〜115,000円の実績があります。CPU・メモリ・SSD・電源がまとめて評価されるためです。グラボを外した本体は、ゲーミングPCとして評価されなくなります。
Q.RTX 3060よりRTX 3070のほうが高く売れますか?
A.逆転しています。RTX 3060の12GB版が25,000円なのに対し、上位のRTX 3070は20,000円前後です。VRAM容量に需要があるためで、RTX 4060 Tiも16GB版55,000円に対して8GB版は33,000円と1.7倍の差が付いています。性能の序列と買取額の序列は一致しません。
Q.メルカリと買取店ではどちらが得ですか?
A.手取りはメルカリのほうが1万円前後多くなります。RTX 4070の場合、買取店が53,000〜55,000円、メルカリで75,000円で売れたとすると手数料10%と送料を引いて約66,000円です。ただし梱包・発送・取引対応をすべて自分で行う必要があり、PC本体は160サイズを超えると送料が大きく上がります。
Q.メーカーの下取りは使うべきですか?
A.金額だけを見るなら買取店です。マウスコンピューターの下取りは通常1,100円、キャンペーン時でも7,700円の値引きでした。買取なら数万円になる機体を1,100円で手放すことになります。値段が付かない古い機体を、新しいPCの購入と同時に引き取ってほしい場合に限って意味があります。
Q.いつ売るのが一番高いですか?
A.新型GPUの発表前です。相場が動き始めるのは発売日ではなく、新モデルの価格と性能が公表された時点です。買い替えを考え始めた段階で査定に出してください。ただし先に売ると新しいPCが届くまでの空白期間が生まれるので、そこをどうするかは決めておく必要があります。
Q.売る前に何をすればいいですか?
A.データの消去が最優先です。SSDは削除や初期化だけでは消えない領域があるため、Secure Eraseに対応したツールか買取店の消去サービスを使ってください。その前に、セーブデータや設定を新しいPCへ移し、各種アカウントからサインアウトします。買取には顔写真付きの本人確認書類が必要です。
まとめ・次に読みたい記事
買取価格は「新品の何割」ではなく、搭載しているGPUで決まります。
グラフィックボード単体の買取上限は、RTX 5070で75,000円、RTX 4070で53,000〜55,000円、RTX 3060 Tiで19,000〜20,000円。ここが基準になります。
そのうえで押さえておきたいのが2点です。1つは、完成品のまま売るほうが有利だということ。RTX 4070搭載機には70,000〜115,000円の実績があり、グラボ単体を大きく上回ります。バラす手間をかける理由はありません。
もう1つはVRAMです。RTX 3060の12GB版がRTX 3070より高く、RTX 4060 Tiは16GB版と8GB版で1.7倍の差が付いています。性能の順番で考えていると、査定額を読み違えます。
売り先は、手取りならメルカリが1万円前後多く、手間のなさなら買取店です。メーカー下取りの1,100円は比較の対象になりません。売り時は新型GPUの発表前で、動くなら早いほうが有利です。



